「レディ・チャタレー」 官能小説の古典 繊細に淡々と
藤枝正稔2007/09/15


1921年。第1次世界大戦で下半身不随となった夫のクリフォード・チャタレー卿との生活。体の触れ合いも心の結びつきもなく、冬景色に閉ざされた石造りの邸宅は、夫人のコンスタンスにとって息の詰まる灰色の牢獄のようだった。彼女とチャタレー卿に雇われている森の猟番・パーキンは、それぞれ深い孤独を抱えていた。春の目覚めとともに森の中でともに過ごすうち、ごく自然に愛し合うようになる──。
夫との不憫な生活を送るコンスタンスの元を、住み込み看護人のボルトン夫人が訪れ転機が訪れる。夫人の勧めで森へ散歩に出かけたコンスタンスはパーキンと出会い、足しげく森番小屋に通うようになり2人は結ばれる。気の効いた言葉やムードもない事務的な性交渉であるが、悦びに満たされたコンスタンスと対照的に、使用人であるパーキンは「奥様を戒めた」と感じている。そんな2人であったが、体を重ねるうちに雇い主と使用人の垣根はなくなり、1人の男と女としてお互いを理解し、かたく閉じた心の中を開放していく。
「レディ・チャタレー」(2006年、フランス)
監督:パスカル・フェラン
出演:マリナ・ハンズ、ジャン=ルイ・クロック、イポリット・ジラルド
秋、渋谷・シネマライズほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。
◇ ◇ ◇
特集:映画の森
