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「花影」 桜がつなぐ日本と韓国

山本ケイ2007/11/08

大阪映画NA
「花影」(c)株式会社花影フィルムパートナーズ
 日本人と韓国人。国籍は違えど共通項も多くある。日本は在日の人が多く、食べ物など韓国文化も根付いている。大阪・奈良と韓国・釜山などでロケ撮影した「花影」は、共通性が随所に顔を出す。両国をつなぐのは桜。日本の専売特許のように思えるが、今や世界各国で桜が植えられるようになった。「大阪アジアン映画祭2007」での上映に合わせ、舞台挨拶に立った主演の山本未來は「異国ですが(韓国に)とても親近感を覚えました。釜山の田園風景が奈良ととても似ているのに驚きました」と話し、釜山の見事な桜に心奪われた様子だった。

 脇を固める俳優陣が豪華だ。観客の8割ほどが女性。それもそのはず、日本でもブレーク中の韓流スター、キム・レウォンが相手役で出演しているからだ。その母親役には「宮廷女官チャングムの誓い」で女官長を演じたパク・ジョンス。主人公・尚美(山本)のマネージャー役に戸田恵子、男優陣は石黒賢、笹野高史、佐藤浩市、柄本明と実力派が顔をそろえた。

舞台挨拶した山本未來(右)と河合勇人監督=大阪市中央区のそごう劇場で筆者撮影
 在日3世の尚美は、売れっ子のジュエリーデザイナー。東京・青山に店を構えているが、海外進出も目論む野心的な女性である。一方で、そんな生活にどこか不安を感じている。交際しているカメラマン・土門竜(石黒)とは不倫の関係。「エプロンして料理をしようかしら」と、尚美は土門に結婚をほのめかす。しかし土門は別居中の妻との離婚に踏み切れずにいた。

 商談で韓国を訪れた尚美は、先祖の墓参りのため、釜山近郊の墓地公園に行く。そこで出会ったのが小学校教師のソン・スンウ(キム・レウォン)。桜が満開の季節だった。韓国語が話せない尚美は、日本人少女の仲介でスンウとコミュニケーションする。通訳する少女が微妙に2人の会話を「アレンジ」するシーンがユーモアにあふれ、会場では大きな笑いが起きていた。

 1年後。土門との関係に疲れ切った尚美は、再び釜山の墓地公園を訪れる。そこにいたのはスンウ。彼は再会を心待ちにしていたのだ。この設定、かなり無理があると当初は思った。時間も約束していないのに、なぜスンウが突然現れたのか。しかも話せないはずの韓国語を突然尚美が話せるようになる。ところが必然的な理由があったのだ。その仕掛けと桜が巧妙に絡み合い、物語に潤いを与えている。

 韓国語のせりふを、山本は撮影3週間前から特訓したという。流暢な発音は、韓国のスタッフも違和感を感じなかったほど。韓国語にどっぷりつかるあまり、「日本語のせりふのほうがドキドキした」(山本)そうだ。相米慎二、崔洋一監督らのもとで助監督を務めた河合勇人の初監督作品。山本の初主演映画でもある。

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「花影」(2007年、日本)

監督:河合勇人
出演:山本未來、キム・レウォン、戸田恵子、石黒賢ほか

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