「クローバーフィールド HAKAISHA」
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「スター・ウォーズ 特別編」を超え、全米興行記録を塗り替えた話題の映画「クローバーフィールド HAKAISHA」。街中に飛んでくる自由の女神の頭部。予告編でインパクトを残した作品だ。製作はテレビシリーズ「エイリアス」「LOST」のJ.J.エイブラムス。トム・クルーズの指名で「M:I:3」の監督も手掛けた人物だ。出演は「ミーン・ガールズ」のリジー・キャプラン、テレビ俳優のマイケル・スタール=デヴィッド。監督は「ハッピィブルー」のマット・リーヴス。
ニューヨークのある夜。日本へ転勤が決まったロブ(マイケル・スタール=デヴィッド)が、パーティーに参加している。素人がビデオカメラで撮った、たわいのない映像だ。しかし、気を抜かず見てほしい。ここで登場人物が紹介され、人間関係が語られる。パーティーに突然、恐怖の前触れが訪れる。ごう音とともに起きる地震のような振動。続いて停電。状況を把握しようと、ビルの屋上に登ったロブたちが見たものは、遠くの町で起きた大爆発だった。巨大な火の玉がビルに向かって飛んでくる。地上に逃げ降りた彼らの前に、自由の女神の頭が爆風で飛んできた──。
登場人物を襲う恐怖を見てみる。2001年9月11日の米同時多発テロの影響が、色濃く感じとれるだろう。見えない敵の恐怖におびえる米国民の前で、自由の象徴である女神像を破壊する。観客の潜在意識にダメージを与えるに違いない。観客は世界貿易センタービルが崩壊する映像を繰り返し見てきた。米国民にとって自由の女神の崩壊は、敵の侵略を仮想体験するほどのインパクトではないか。人々が混乱するようすも、事件当時を思い出させる。“敵”については詳しく書けないが、製作のエイブラムスは「日本にインスパイアされた」という。日本が生み出した特撮映画「ゴジラ」(54)も、製作年に起きた「第五福竜丸事件」をもとに生み出された。通じるものがあるだろう。「クローバーフィールド HAKAISHA」の“敵”は、日本が生んだ破壊生物の末裔ではないか。
作品の特徴は、撮影技法の一つ「P.O.V.(ポイント・オブ・ビュー、主観撮影)」が取り入れられていること。カメラを持った撮影者の視点で物語が描かれる。P.O.Vを使った代表的な作品に「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」(99)があり、6月公開のスパニッシュ・ホラー「REC」も同じ方法で製作された。注目してほしい。ただ、激しく揺れ動く映像が特徴なので、乗り物酔いに近い症状を起こす人もいるのでは。P.O.Vとコンピューター・グラフィックス(CG)の進歩で、本物と見まがうショッキングな映像が作り出された。ドキュメンタリー・タッチで展開する物語は、恐怖とショックの連続で息のつく間もない。日本の特撮映画では考えられなかったカメラの構図や、一般市民の視点で語られるアイデアは画期的。特撮ファンも満足するに違いない。
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「クローバーフィールド HAKAISHA」(2008年、米)
製作:J.J.エイブラムス
監督:マット・リーヴス
出演:リジー・キャプラン、マイケル・スタール=デヴィッド
4月5日、TOHOシネマズ六本木ヒルズほかで全国公開。作品の詳細は
公式サイトまで。