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「西の魔女が死んだ」 あふれる愛 春風のように

李飛鳥2008/05/01
梨木香歩の同名小説がもととなった「西の魔女が死んだ」。原作の行間に流れる言葉にしにくい愛を、長崎俊一監督はやわらかな春風のように画面に映し出す。
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<center>「西の魔女が死んだ」<br>(C)2008「西の魔女が死んだ」製作委員会</center>
「西の魔女が死んだ」
(C)2008「西の魔女が死んだ」製作委員会
 「魔女が倒れた。もうダメかもしれない」

 知らせを受けた中学3年生のまいは、母親の運転する車で、魔女が住む山の家に向かう。魔女とは、まいが2年前にしばらく一緒に暮らした、イギリス人の祖母のことだ。若いころに英語教師として来日した祖母は、理科教師であった祖父と結婚して、まいの母を産んだ。混血であるがゆえに日本の学校文化になじめないまま、苦労して大学まで卒業した母。その母の娘であるまいは、中学で早くも“つまづいた”。

「西の魔女が死んだ」予告編 (1分57秒)

 登校拒否になり、母の提案でしばらく祖母と一緒に暮らすことになる。祖母との会話の中から、自分に魔女の血が流れていることを知り、魔女修行に取り組むことにしたまい。魔女の修業は、まいの予想に反して「早寝早起き」「よく食べよく動く」といった、基本的なことから始まった。魔女秘伝のジャムづくりやシーツ洗いなど、修業を重ねる中でまいは、素直に「おばあちゃん、大好き」と告げる。それを聞くたび魔女は「I know」と優しく微笑むのだった。

 まい役には、新人の高橋真悠。魔女には、世界的な大女優シャーリー・マクレーンの愛娘で、圧倒的な存在感を放つサチ・パーカー。決して多くはない登場人物の中で、サチ・パーカーの演技がまるで魔女の魔法のようにストーリーのすべてを支配する。

 人よりやや強い感受性と鋭い繊細さゆえに、普通の学校文化の中で生きづらく感じたまいを、魔女は優しく温かく包みこむ。ゆっくりと放たれる魔女の言葉の一つひとつに、「あせらなくてもいい」「自分を信じて自分のペースで進めばいい」といった、まいへのメッセージがあふれる。

 幼さゆえの誤解から「おばあちゃん、大好き」と言えないままで別れたまいは、2年後に、魔女からの約束のメッセージを受け取る。魔女がまいに送る限りない愛がスクリーンからあふれ出て、まいのみならず観客のほおにまで涙が伝う。

 「西の魔女が死んだ」は、梨木香歩の同名小説が原作である。1994年の出版以来、十数年にわたり愛読されてきた作品が映画化されることで、多くの梨木ファンは、やきもきしていたのではないだろうか。実写になった小説の世界を見てみたいと思う反面、原作の行間から伝わる、言葉にはしにくい「愛」を陳腐な形で表現してほしくない……。

 長崎俊一監督は、そんなファンの期待にたがわず、やわらかく心地よい春風のような作品を作り上げた。サチ・パーカーは長崎監督を「信じられないくらい繊細な人」と表現し、撮影中は100%の信頼をおいたという。主演女優と監督がシンクロしてできた作品は、梨木ファンはもちろん、ほっと安らげる大切なものを見つけたい人にもお勧めである。

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「西の魔女が死んだ」(2007年、日本)

監督:長崎俊一
出演:サチ・パーカー、高橋真悠、りょう、大森南朋、高橋克実、木村祐一
原作:梨木香歩(「西の魔女が死んだ」新潮文庫刊) 

6月21日、恵比寿ガーデンシネマ、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

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[34024] 娘が号泣した本です。
名前:川口愛子
日時:2008/05/02 23:17
 娘が中学生の時に渡しました。娘は号泣したといって、友達にも貸していましたがイマイチお友達はピンと来なかったようです。
 しかし、感受性の豊かな時期にこの本は必読書となるのではないでしょうか?