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「最強☆彼女」 アクションに挑戦 クァク・ジェヨン監督に聞く

“強い彼女と弱気な僕” 独自の恋愛観は健在
岩渕弘美2008/12/05
韓国のクァク・ジェヨン監督が新作「最強☆彼女」の公開に合わせて来日した。「猟奇的な彼女」「僕の彼女はサイボーグ」など、“強い彼女と弱気な僕”の恋愛観が人気のクァク監督。「『最強☆彼女』のヒロインは武術の達人。強く美しい女性は、男性にもできないことをやり遂げられる」と話した。
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 「猟奇的な彼女」「僕の彼女はサイボーグ」など、“強い彼女と弱気な僕”の恋愛観が人気のクァク・ジェヨン監督。公開中の新作「最強☆彼女」は、得意の爽やか恋愛物語にアクションが融合した新境地だ。「サッド・ムービー」のシン・ミナ、「ピーターパンの公式」のオン・ジュワン、ドラマ「おはよう神様」のユゴンと、フレッシュな若手俳優3人を起用し、ワイヤー・アクションもふんだんに盛り込んだ。公開に合わせて11月末に来日したクァク監督は「『最強☆彼女』のヒロインは武術の達人。強く美しい女性は、男性にもできないことをやり遂げられる」と話した。

新作「最強☆彼女」公開に合わせて来日したクァク・ジェヨン監督=東京・六本木で11月29日、筆者撮影
新作「最強☆彼女」公開に合わせて来日したクァク・ジェヨン監督=東京・六本木で11月29日、筆者撮影
 インタビューでの主なやり取りは次の通り。

 ──監督の作品は強いヒロインが多い。弱い部分とバランスを取るが難しいのでは。

 芯は弱く純粋なのに、見た目は強そうな女性が多い。きれいで純粋な女性に、男性は近づきにくい。男性が気軽に接することができるヒロインにしようと心がけている。

 ──チョン・ジヒョン、シン・ミナ、綾瀬はるか。みな透明感のある女優だ。監督から見た共通点は。

 透明感があって、頭が小さくて、八頭身の女性が好き。性格は突拍子がなく面白い女性は、韓国で最近“四次元”と呼ばれている。3人もそんな面を持っていると思う。

 ──作品に使う音楽へのこだわりは。

 作曲家は「監督が好むメロディー、コードはいつも同じ。作りやすい」と言う。「最強☆彼女」のBGMで使われた1曲は、自分で歌詞を書いた。「僕の彼女はサイボーグ」を撮影していた時に作ったものだ。

 ──「最強☆彼女」のアイデアはどこから。

 子供のころから李小龍(ブルース・リー)や成龍(ジャッキー・チェン)など香港のアクション映画が大好き。武術映画を作る夢が実現した。

<center>「猟奇的な彼女」「僕の彼女はサイボーグ」などで独自の恋愛観を展開=同</center>
「猟奇的な彼女」「僕の彼女はサイボーグ」などで独自の恋愛観を展開=同
 ──韓国の若者のリアルな恋愛を描いている。どうリサーチしているのか。

 特にしていない。映画のヒロインと同年代の娘が二人いる。娘たちと仲良くし、好きな音楽や映画を一緒に楽しむことが、映画を作る上でプラスになっている。娘と一緒に見られる映画を撮ろう、と。

 ──男性的、女性的な視点の両方から見られる作品が多い。

 これまでの作品では前半が男性的、後半が女性的な視点で描いたことが多かった。初めにヒロインを紹介するため、男性側から見ることになる。(ヒロインである)強い女性に対する観客の共感が得られた時点で、女性的な視点に切り替わる。私は単純に強いだけではなく、見た目は強く見えて、芯が純粋で女性らしい人に憧れている。美しくて強い女性は、男性に不可能なことも可能だと思う。

<center>舞台挨拶で観客を前にポーズ=同</center>
舞台挨拶で観客を前にポーズ=同
 ──次回作は北海道が舞台と聞いた。

 とても撮りたかった作品で、準備しているところ。今年か来年の冬に撮る予定。これまでとは違う非常に真面目な作品になると思う。過去に冬の北海道へ行き、流氷を見て感動した。映画に取り入れたい。

 ──「最強☆彼女」の韓国公開が、予定より遅れた理由は。

 複雑な事情が絡んでいるので、詳しくは言えない。「最強☆彼女」が撮影されたころ、韓国では多くの映画が作られ、資金面も明るかった。その後、投資面での状況が変わり、公開できない状況に陥った。(撮影から)2年後に公開できたが、韓国社会全体が暗い時期と重なった。作品の明るい部分を見てもらえなかったのが残念だ。

 ──「最強☆彼女」では香港映画のようなワイヤー・アクション、韓国の純愛ドラマ的な部分など、いろいろな要素が盛り込まれている。監督のサービス精神の表れか。真面目な場面にコミカルな要素を入れたのは、純愛映画への照れがあったのか。

 観客へのサービスというより、自分自身が楽しめる映画を目指すことを重視している。真面目な場面にコミカルな要素が出てきたり、コミカルな場面から真面目な場面に変わったり、(観客を)当惑させる要素が多いのは、自分自身へのサービス。自分の楽しめる映画を作る過程で出てくる。

 ──(作品によく登場する)軟弱な男性像は、監督自身を投影していると聞いた。

 弱く見えるだけで、本当に弱いわけではない。一般的な男性像だと思う。「猟奇的な彼女」の男性も、ヒロインの女性に優しいところが強調されている。優しいのであって、弱いわけではない。強い女性を感動させ、つき合えるだけの内面の強さを持っている。ちょっと見では弱く見えるのが短所でもある。

 ──「最強☆彼女」で一番苦労したところは。

 ワイヤー・アクションが多かったこと。真夏の撮影で暑く、雨も多かった。資金面も大変で、今までで一番苦労した。

 ──撮影前後で主演3人の印象は変わったか。

 一番変わったのはオン・ジュワン。隠れた魅力をたくさん発見できた。次もまた彼と撮りたい。(ヒロインの)シン・ミナは、まだまだ研究しなければいけない部分が多い。ユゴンには申し訳ない気持ち。ほかの2人がメインになってしまい、彼の力を100%発揮させられなかった。

 オン・ジュワンは体当たりで演技に集中してくれた。カットの後に倒れたこともあった。ワイヤー・アクションでぶつかって倒れたり、水中シーンで深く潜りすぎて鼓膜が破れ、耳から血を流したことも。これで兵役免除になるかと思ったが、入隊してしまったね(笑)(オン・ジュワンは今年10月に入隊した)。

 ──(『猟奇的な彼女』の主演で『僕の彼女を紹介します』『最強☆彼女』にカメオ出演している)チャ・テヒョン出演の経緯は。

 彼は私の性格に近く、これからも出てほしい。「最強☆彼女」でも快く受けてくれた。

×××××


「最強☆彼女」(2008年、韓国)

監督:クァク・ジェヨン
出演:シン・ミナ、オン・ジュワン、ユゴン

11月29日、シネマート六本木、シネマート新宿ほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。
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