仏“ヌーヴェルヴァーグ”を代表する作家の一人、エリック・ロメール監督の最新作「我が至上の愛 アストレとセラドン」が来年正月に公開される。“恋愛映画の巨匠”ロメール監督も88歳。この作品を最後に現役引退を表明しているが、映画初主演のアンディー・ジレとステファニー・クレイヤンクールは「監督の精神力に驚かされた。映画製作が彼を生かしているようだった」と口をそろえた(インタビューの動画があります)。
「我が至上の愛 アストレとセラドン」主演のアンディー・ジレ(右)とステファニー・クレイヤンクール=東京・虎ノ門で3月、筆者撮影
仏“ヌーヴェルヴァーグ”を代表する作家の一人、エリック・ロメール監督の最新作「我が至上の愛 アストレとセラドン」が来年正月に公開される。男女の恋愛を詩的に描き、独自の叙情世界で観客を魅了してきたロメール監督も現在88歳。この作品を最後に現役引退を表明している。映画初主演のアンディー・ジレとステファニー・クレイヤンクールは「監督の精神力に驚かされた。映画製作が彼を生かしているようだった」と口をそろえた。
「我が至上の愛 アストレとセラドン」は、フランスの作家、オノレ・デュフレの小説「アストレ」が原作。舞台は5世紀のローマ。羊飼いの男女の純愛が、古城や自然の中で展開される。ゆるやかな衣装、詩のような語り。若く美しい男女が愛を語り合う様子は、まるでおとぎ話のようだ。
小説「アストレ」は当初、ロメール監督の親友、ピエール・ズカ監督が映画化を考えていた。しかし、95年にズカ監督が死去。ロメール監督が遺志を受け継いだ。「17世紀に書かれた言葉がまったく古びていないことに、ロメール監督は驚いていた。『現代性がある』と繰り返していた」とジレは言う。
一方で、同じカットを撮り直さないロメール監督の手法に、二人はプレッシャーと戸惑いを感じたという。ジレは「監督に『なぜ撮り直さないのか』と聞くと、『私は俳優の不器用さ、偶然が起こす瞬間をつかむことに興味がある』と。最初からほしいカットが分かっていて、見通しがはっきりしている。監督が撮る場面にはどれも意味があり、まったく無駄がないんだ」と語る。クレイヤンクールは話す。「初めての演技だったので『俳優養成学校に行かせて』と頼んだけれど、監督は『必要ない』と。手付かずの状態を大事にしたかったようです。泣いたり喜んだり、感情の起伏が激しいシーンでは、自分の中に湧く感情を大切にした」
高齢のロメール監督。間近で接した二人は「精神力に驚かされた」と口をそろえる。ジレは「撮影が進むにつれ、だんだんと背筋が伸びていった。最後はついていた杖を放り投げ、(撮影場所の)森の中へずんずん歩いていった。映画製作が彼を生かしているようだった」と話していた。
「我が至上の愛 アストレとセラドン」インタビュー(32分07秒)
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「我が至上の愛 アストレとセラドン」(2007年、フランス・イタリア・スペイン)
監督:エリック・ロメール
出演:アンディー・ジレ、ステファニー・クレイヤンクール、セシル・カッセル、ジョスラン・キヴラン
2009年正月第2弾、銀座テアトルシネマほかで全国順次公開。作品の詳細は
公式サイトまで。
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